Primula
□◆第七章 謝罪◆
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エオウィンは文字を読み取ると泣きそうな顔になった。
その表情に良からぬことになっていることを察し、ルリは彼女に問うように首を傾げた。
「ごめんなさい、ローハンは救援に行ってないの」
ルリは目を見開いた。
[使者がこなかった?]
エオウィンは長い間沈黙していた。
しかし、やがて何かを決心すると顔を上げる。
「使者の方はいらしたわ。でも…ローハンは救援には行けなかったの」
そんな!とルリの口が動いた。
では…では、彼らはあのままあの人数で数千ものオークを相手にしたの…?
ルリは痛む腕で上掛けをはねのけた。そしてベッドを降りようとする。
「何をしているの!?」
慌てて支えようとするエオウィンの手を払いのけた。
みんなの元へ戻らないと…それだけが彼女の頭を占めていた。
しかし、床に足を落としたものの立てずに崩れ落ちる。体に力が入らなかった。
焦りと苛立ちがうなり声のような音を喉の奥から響かせた。
「誰か来て!」
エオウィンが頭上で叫んでいるのが聞こえた。