Primula

□◆第六章 再会◆
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「サルマンは狡猾です。一族がもし襲撃を受けても民族性から外部に救援を求める可能性は低い。しかし、もし仮に救いを求めても距離的に我が国に来る可能性が高い。そこで我らには手を貸せないようセオデン王の側にグリマを配したのでしょう」

「俺達はまんまと策に嵌ったというわけか…」

エオメルは忌々し気に唇を噛んだ。

その時、門がある方向から人がざわめく様子が伝わってくる。

「隊長!」

見ると先ほどまで話題に上っていたロイドの弟のガイルが仲間数人と共に馬を駆ってくる。

その腕にはマントにくるまれた人が。その顔を見た瞬間、エオメルは数年前を思い出した。

美しい歌声を持つ物言わぬ女性─ルリだった。

「ルリ!?」

「ご存知なのですか?」

エオメルは意識のない彼女を馬上から受け取ると館に向かって歩き出した。

「ああ、数年前に一度会った事がある…」

「これが【謌の巫女】ですよ」

今度はエオメルが驚く番だった。


to be continued...
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