Duranta

□◆第十六章 役目◆
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「私なら別に…」

構わない…と言いかけたファラミアの言葉は侍女頭に遮られる。

「ファラミア様もファラミア様です! 執政官ともあろうお方がこんなところにいらっしゃるとは!」

『それは私が…』

お連れしました…というルリの言葉はまたしても老女に遮られる。

「それにルリ、何ですか! 女性が肌をそのように見せるなんて!」

伝統と格式を重んじる城の中では腕まくりもいけなかったらしい。

ルリは以前裂け谷で会ったアルウェン姫の方が露出度は高かった…と言いかけて口を噤んだ。

そんなことを言ったが最後、お説教は丸一日延びるだろう。




ファラミアと一緒に怒られること半刻…



やっと解放されたルリは彼と顔を見合わせるとクスクスと笑う。

「やれやれ、久しぶりに彼女のお説教を聞きました」

『前にも怒られたことが?』

腕まくりを直しつつルリは尋ねる。

 
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