Duranta
□◆第十六章 役目◆
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『ファラミア様、もっと引っ張ってください〜』
「……こう…ですか?」
ファラミアはロープ上に掛けられたシーツの端を掴んで引っ張った。
『そうです、下も引っ張って皺を伸ばすんです』
言いながら、ルリは身を屈めてシーツを引きパンッと鳴らした。
ファラミアも不慣れな手つきながら彼女を真似る。
『そうです、ファラミア様…上手「まぁ! ルリッ!! ファラミア様に何てことをさせているんですかっ!!!!」
ルリの声に被さるように怒号が響いた。
恐る恐る振り返ると侍女頭の老女が頭から湯気を出しそうな勢いで怒り狂っている。
『あ…』
「手伝いを申し出た貴女にこの仕事を与えたのは、ファラミア様に手伝っていただくためではありません!」