Verbena

□◆第二十一章 闇王◆
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「ルリ、気がついたのかい?」

黒髪の双子のエルフが顔を覗かせた。

「どれ、儂は皆の様子でも見てこようかの」

ガンダルフは再び年寄りくさい掛け声で腰を上げると部屋を出て行った。

「あぁ…何て痛々しいんだ」

エルロヒアはレゴラスが腰をかけているのとは逆側の寝台の端に座ると、彼女の顔にかかる包帯にソッと触れる。

「一人で彼と剣を交えるなど、無茶にもほどがある」

椅子を寝台のすぐわきまで引き寄せて腰を下ろすと、エルラダンは怒っているような声を出した。

『ご心配かけてすみません』

「僕達を死ぬ程心配させた代償は高くつくよ」

そう言って、エルロヒアが長身を傾け彼女の左頬にキスを落とした。『!??』

「まぁ、何にせよ、宿命を果たせて良かった」

負けじとエルラダンもルリのこめかみに。

『!』



「その辺にしてくれないか」


 
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