Verbena
□◆第二十章 決着◆
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「名を…もう一度…我の名を呼んで…くれない…か」
『…エルシオン』
ルリが呟くと闇のエルフは満足そうに微笑んだ。
そして力の入らない手を持ち上げ、彼女の頬に伸ばした。
「懐かしい…名だ…。今や誰も…その名で我を…呼ばぬ…」
彼の命の灯火が消えようとしている。
「……愛して…いる…エリ…ア…ル…」
その手が彼女に触れることはなく…
力つきパタリと地面に落とされた…
その顔は微笑んでいるようにも見え、どこか満足気にも見える。
ルリは彼の額に口付けを落とすとその身をそっと横たえた。
そして操り糸が切れた人形のように自身もその上に折り重なるように倒れ込んだ。
to be continued...