Verbena
□◆第二十章 決着◆
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『レゴラス様…私は…』
レゴラスが安心させるように頷くと、ルリは我に返って彼と合わせていた剣を慌てて引いた。
「やはりお前が最大の障壁になるかギルドール」
闇のエルフはレゴラスに向き直った。
剣を構えて斬り掛かろうとする彼の前にルリが飛び出す。
「!?」
簡単に弾き飛ばされた彼女はレゴラスの足下に尻餅をついた。
「ルリ…」
これ以上は見ていられないと前へ出ようとするレゴラスを彼女は無言で拒否した。
『私が…彼を止めなくては…』
ルリはゆらりと立ち上がるとそのままに再び剣を構えた。
『私が…』
【愛しい子よ。私にはもう時間がありません。お前に…このような宿業を課す母を許して…】
ルリの脳裏に、聞いた記憶のない声が響く。