Verbena

□◆第十八章 宿命◆
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彼らの到着により戦況の不利は覆され、あっという間に決着が着いた。

サウロン側は敗退し、ミナス・ティリスに静けさが戻る。

「さぁ…我々を解放してくれ…」

亡霊王に詰め寄られるアラゴルン。

ギムリが貴重な戦力を手放すのは勿体ないとブツブツ文句を言う傍ら、ルリはアラゴルンの側に歩み寄った。

その姿を見付けた亡霊王は彼女に最後の言葉をかける。

「闇に堕ちしエルフの娘よ。我らは盟約を果たした。其方の宿業が果たされる日がくることをこの地で眠りにつきながら祈っていよう」

ルリは膝を折って頭を下げた。




「ルリ…」

荒廃したペレンノールに立ちすくんでいる彼女の背に暖かい労る声がかけられた。

『ミスランディア!』

モリアの坑道でバルログと共に堕ちたガンダルフだった。

生きていることはアラゴルンより聞かされていたが、こうしてその姿を目にすると実感がわいてきて彼女の胸を熱くした。

『ミスランディア…』

名前を呼ぶだけでそれ以上言葉が続かずにただ涙する若きエルフを魔法使いはそっと抱きしめた。

やがて体を放したルリは、涙に濡れた眼で彼をまじまじと見つめる。

『何だか様相がお変わりになられましたね』

 
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