Duranta

□◆第十六章 役目◆
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「何をしているんですか…」

少々呆れ気味の声をかけられて、ルリは足を止めた。

黒い髪はきっちとまとめられ腕まくりをした状態で彼女は走っていたのだ。

『何って…何に見えます?』

ルリは抱えていた大きな籠を僅かばかり前に差し出す。

ファラミアは視線を僅かに下に下げた。

「シーツの山に見えますね」

『ただのシーツだと思います?』

言われて彼は手を伸ばしてシーツをつまみ上げる。

それは濡れていた。

「濡れているようですが…」

『その通りです』

正解と言わんばかりにルリはニッコリ笑った。

「私が聞きたいのは…『時間は有限ですよ、ファラミア様、お話なら歩きながらお聞きします』

ルリはさっさと歩き出し…ファラミアは釣られるように付いて行く。

 
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