Second year
□◆第三章 選手◆
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「くそーー」
ジェームズはイライラを隠そうともせず斜めの前のソファの背を蹴った。
そのソファに座っていたピーターがビクリと体を震わせる。
『どうしたの?』
ジェームズの隣に腰を下ろしながらルリは尋ねた。
てっきりたった今シリウスと対戦しているチェスの勝敗に関してかと思ったがどうやら違うらしい。
「ああ、今年も「ルリ、君のボーイフレンドの弱点を教えてくれ」」
シリウスの言葉を遮ってジェームズが言った。
『ボーイフレンド?』
「あの腹黒過保護監督生だよ」
『……………ロイ?』
ようやくルリにも誰のことか理解した。
『ロイの弱点って?』
「それを聞いてるんじゃないか」
ジェームズはますますイライラする。
「ポッター、ルリに当たるんじゃないわよ!」
ますます訳が分からない表情のルリにリーマスが苦笑して教えてくれる。
「ジェームズは今年もまた寮の代表選手に選ばれなかったことが悔しくて仕方がないんだよ」
『それがどうしてロイの弱点に?』
「ロイがキャプテンの弱点を握って脅しているに決まってる! だから僕も脅迫してやるのさっ」
拳を握って立ち上がったジェームズの頭に箒の柄が降ってきた。「いてっ」