Second year
□◆プロローグ◆
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─9月1日 ロンドン ギングズ・クロス駅─
「久しぶり〜」
そんな明るい声が響く9と3/4番線。
数ヶ月ぶりの友人達との再会に自然に声も弾み、はしゃぐ声と別れを惜しむ家族の声でホームは騒然としていた。
「お前の荷物はこれで全部だな」
ロイにトランクを積み上げてもらいルリはお礼を言ってニッコリ笑うと腰を降ろした。
「あ、いたいた。ルリ、久しぶり〜」
楽し気な声が近付いてきたと思えば、やっぱりのジェームズが登場。
後ろにはシリウスがいる。
去年と変わらぬ登場の様子に彼女は一年前を懐かしく思い出した。
「先輩、僕らの荷物も…」
「自分でやれ」
ニッコリ笑顔で切り返すとロイはルリに【だけ】挨拶をすると去って行った。
「主席でクィディッチの代表選手で、クロスフォード家…そして今年はついに監督生か」
ロイの胸元の監督生バッチを目敏く発見したらしい。
ますますモテモテだね…とジェームズは面白くなさそうに口をひん曲げた。
それからジェームズは座ろうとしてふと前の少女を見下ろす。
「ルリ…もしかして…」