Verbena
□◆エピローグ 仲間◆
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「ウォッホン。まったく、いい加減にしてくれよ」
咳払いと共に聞き慣れた声がはるか下から聞こえてくる。
驚いて慌てて離れようとするルリを、それでも放すまいとガッチリ抱きしめながらレゴラスは視線を彼女の肩越しに下へ向ける。
「また君か、ギムリ…」
一度、ジックリ話をつけないといけないみたいだね…レゴラスの不穏な言葉もドワーフは鼻であしらう。
「あんたは限度ってものを知らないからな。誰かが止めなきゃ、お姫さんは一生、あんたの腕の中から出られないだろうよ」
「別にそれでも構わないだろう?」
レゴラスの言葉にギョッとするルリ。
そんな彼女にこれでもかというほど綺麗な笑顔で答える美貌の王子様。
ギムリは。ふぅやれやれとわざとらしく肩をすくめた。