Verbena
□◆第二十一章 闇王◆
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顔の半分を包帯でグルグル巻きにされた痛々しい姿でルリは寝台に横になっていた。
整った顔とミスマッチな包帯が刹那的な儚い美しさを見せている。
「まだ目覚めぬか…」
掛けられた声に、彼女の寝台に腰をかけていたレゴラスが振り返った。
あの出血量じゃ仕方ないことか…とガンダルフは呟く。
「ミスランディア、ルリの宿命は彼を討ち果たすことだったのか?」
魔法使いはよっこいしょなどと外見に見合った掛け声をだして側の椅子に腰を下ろした。
「恐らくはな…」
ガンダルフはルリの青冷めた横顔を見た。
その彼の顔を横目で見てレゴラスは尋ねる。
「我らの世代では【闇に堕ちしエルフ】の話はタブーとなっていて詳しいことを知らない。ミスランディア、貴方なら何かご存知では?」
儂もすべてを知ってるわけではないが…と断りを入れてから魔法使いは語り出す。