06/22の日記
22:29
正良…?
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どうしてだ?そう何度も頭の中で自問しながら、自分に馬乗りになって必至になっている女をぼんやり見上げる。
良守を愛し、良守の為に命をかけて戦い、良守と生涯共に…そう決め今まで生きてきたのに…
本来なら今頃、良守と一緒に大切な時間を過ごしていたはず…
なのに自分は今横たわり、それに女が跨がる。この状況をみたら良守は悲しむだろうか、怒るだろうか、軽蔑するだろうか…
あいつのことだからきっとボロボロ涙流して…ひどく悲しむだろうな。
ごめんな、良守。お前を裏切ることになってしまって…
ごめんな、良守。お前を抱きしめてやれなくて…
ごめんな、良守。お前にキスしてやれなくて…
もし叶うなら良守にもう一度会いたい…汚くなった俺でも許してくれるなら……
あぁ…視界が薄れて上に乗る女でさえ見えなくなってくる…
誰でもいい。この女の行為を止めてくれ。もう限界だ…
よし、もり……
「だ、誰かぁー!!ふっ、副長が頭領に馬乗りで、顔をボコボコにっ!!」
「あー…良守くんに会いに行く為に抜け出して見付かったんだろ」
「そういうことね…なら仕方ない。自業自得だ」
「そっ、自業自得。あーあ、頭領の顔が汚くなっていくなぁまっそれも…」
「自業自得か」
「そっ、自業自得。せっかくだから良守くんにあれを写メして送ってあげよう。文章は『今日も夜行は平和ですよ』っと…」
〜後日電話にて〜
「良守、写メ見た!?刃鳥ひどくないか!!??良守に会いに行くのに抜け出したらボコボコだよ!!??」
『自業自得』
「…っ!?気絶するまでボコボコなんだよ!?」
『自業自得』
「よ、良守に会うために、抜け出したんだよ?」
『仕事ほっぽりだしたんだから自業自得』
「なっ!!良守は俺に会いたくないの!?」
『別に』
「うっ…イケメンが台なしになったんだよ?今だってまだ腫れが…!」
『はんっ、どこの誰がイケメンだって?』
「!!??」
『それより刃鳥さんの手が傷ついてないか気になるんだけど』
「!!??…刃鳥はナックル嵌めてたから…」
『なら安心だな。ったく…くだらないことで電話すんなよクソ兄貴』
「!!??…くっ、くだらないっ!!??刃鳥は素手じゃなく、ナックルで殴ったのに、くだらないっ!!??」
『自業自得。なぁ、もういいか?俺ケーキ作ってる途中なんだけど』
「俺よりケーキが大事なの!?」
『うん』
「即答!!??あっ、もっもしかしてお見舞いに俺のために…」
『なわけねーだろ。さっさと仕事しろよ。じゃーなー』
プッ、プープープー
「よっ…良守ーーーー!!!!」
「副長、頭領が携帯抱えながら泣いてますけど」
「ほっときなさい。頭領にアメとムチのアメはない。ムチとムチよ」
「ムチとムチ…」
負けるなムチムチ正守くん!!
End
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とくにシリーズ化を考えてるわけではないですが、最後のシメが思いつかなかったので「ムチとムチ」という愛を与えられている正守をムチムチ正守くんと名付けてみました。
けして脂肪がついているわけではありません。
久しぶりに真っ黒最強刃鳥さん書けて良かったです。
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