05/27の日記
12:38
手の平に収まる思いG
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閃にょしの続きです。エチは無しです。
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「よっ、良守…」
良守の顔を覗き込んだ閃の目に飛び込んできたのは、ボロボロと涙を流し、震えて泣く良守。
自分で見たことも、触ったこともない秘部への異物感に痛さ。あまりにも衝撃的で恐怖のために泣いてしまったのだろう。
閃はやっと自分のしたことの重大さに気が付き、良守の秘部から指を引き抜いた。
「良守。大丈夫…か?」
「うっ、うぅ…うぐっ……」
「よし、もり…?」
「う、んぐ、ひっ…うぅぅぅ、うわぁぁん!!」
指を引き抜いた閃はオロオロしつつ、泣いている良守に大丈夫か尋ねるが良守は一向に応えずただ嗚咽を発しながらただ泣くだけ。
そんな良守に閃は何度も名を呼んでいたが、ついに良守はわんわん泣き出してしまった。
泣きじゃくる良守に閃はギョッとして、慌てて良守の背後から移動して正面に来る。何とか宥めようと手を差し伸べるが。その手も良守に触れることが出来ずどうしたらいいか分からず変な動きをするばかり。
号泣する良守を前に閃はただオロオロするしかなかった。
「ご、ごめん良守。ほんと、ごめん…」
「ひっく、ひっ…う…」
「…ごめん…」
やっと号泣から少しだけ落ちついた良守に閃は尚も謝る。膝の上に握りこぶしを作り、頭を下げて何度も「ごめん」と言う。理性に負けていたとはいえ、好きな女の子に酷いことをしてしまったことに閃は謝るしかなかった。
「な、なんで…」
「え?」
泣きっぱなしの良守の口からか細い声で言葉が放たれた。閃はその言葉を一つも聞き逃さないように少しだけ良守に近づいて耳を澄ます。
「なんで、影宮、は…こんなこと、したんだ、よ…」
「それは…」
「これって…あ、あそこ、触るの、って…セッ、クスってやつだろ…?恋人、同士が、するんじゃ…ないの、かよ!」
「……」
良守の嗚咽交じりの聞き取りにくい言葉に閃は黙っていることしかできなかった。確かに愛情がなくても性交する人はいるが、性交は本来恋人同士や夫婦、好きあっている人たちがすること。
閃は良守のことが好きだが、恋人ではない。理性に負けて、強姦まがいのことをしてしまった。閃は良守の顔を見れず、ただ俯いて膝の上に載せていた握りこぶしに力を込めた。
情けない…と。
「確かに、良守の言う通りだ…」
「だったら、何で影宮…俺に、あんな、こと…すんだよ。痛いし、怖い、し…」
「良守、それは…」
「俺のこと、嫌いなのかよ!?嫌い、なんだろ!?だから、だから、あんなこと…うっ、うっ…」
またわんわん泣いてしまう良守。だが閃は心臓を鷲掴みされ、握りつぶされるような感覚に陥いり、言葉を失う。
確かに恋人同士でないのに、無理矢理やって良守に怖い思いをさせてしまった。元々は良守のせいだといったらそうだが、『胸を揉む』ということを性交の前ギとは知らなかった良守。それを隠して自分が我慢をすればいいんだ、と手伝った閃。
きちんとあのとき言ってやった方が、このような結果にならなくて済んだ。閃は今更後悔するが、それよりも良守に『嫌いだからやった』と思われていることがショックだった。
好きだからもっと触れたくなって、自分だけの大切な人になってほしくてやってしまったことを良守には嫌がらせだと思われた。
閃はそれは違う!と言葉で言うよりも早く、先に体が動いた。再び泣きじゃくっている良守の両手首を掴み、顔を近付けて自分の唇を涙で濡れそぼっている良守の唇に重ねた。
続く
09.5.27up
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頑張れ閃ちゃん!
次回up予定→5/29
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