薄桜鬼short
□君に、届かない
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江戸・多摩
目を開けると、ばっちりと私を覗き込む男の子と目が合った
「あ、起きた」
『・・・・・』
「近藤さーん!この子、目を覚ましましたよ!」
何も言わずにいると、男の子は急に立ち上がり“近藤さん”と言う人を呼びに行ってしまった
見慣れない天井を見上げているとどこからかバタバタと慌ただしい足音がしてきた
「ぉおっ!目が覚めたか!具合はどうだい?」
にこにこと笑う、その人の後ろには、さっきの男の子。
『ここ、どこ・・・?』
「おお、そうだったな!此処は俺の道場なんだがお嬢ちゃん、これから一緒に暮らそうな?」
薄汚い道場だが、皆良い奴ばっかりなんだ!
そう言って、照れ臭そうに笑うその人を見てコクリと首を縦にふった
それが彼等との始まりだった
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