薄桜鬼short

□恋を知ってしまった
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土方さんのいない屯所で、することもなく




しばらく廊下へ出て真ん丸に光る月を見ていた




「凛ちゃん?」



ふ、と突然近くで聞こえる声




『沖田、さん・・』



「なにかあった?」



優しい笑みで微笑みかけてくれる沖田さん






『いえ、大したことではないんです』




「また、土方さん?」



ああ、この人は私のとこをなんでもわかってしまうんだ




『ほんと、私って、馬鹿ですよね』



笑ったつもりが自傷地味た乾いた笑みが浮かんだのがわかった



「泣かないで、凛ちゃん」




そっと頬に触れる温もり



『私、泣いてます?』



「うん、心が泣いてる・・・辛いときは、泣いていいんだよ」



沖田さんにそう言われて胸の奥にたまっていた何が涙となってあふれだす





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