薄桜鬼short

□時越え
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どしーんっ!とすごい衝撃をうけぐらぐらと頭が廻る



「「お、女ぁぁぁ!?」」



頭上で響いた声はさっき聞いた声と同じだった



『いたぁ・・』



あまりに声が大きくて頭に響いて、声を出してしまった



「だ、誰だよお前!!」



すごく驚いた表情で私を指差すのは髪の長い小柄な少年


私も小柄なので親近感を覚える



『え?え?』



突然、誰だよなんて聞かれて戸惑っていると横の大きな体の人が口を開いた



「お前、あの霧から来たのか?」


そう言われて、脳が覚醒



『あっ!私!』


突然声をあげたので、びっくりさせてしまった


『あ、ごめんなさい』


「いや、別に良いけどさ。お前もしかしてあの霧に触ったのか?」


あの霧、と体の大きな人が指差したところは、もうあの霧はすっかり消えてしまっていた




『そうです!!触ったら突然目眩がして・・』



「それで俺の頭に降ってきたのか!?」



『あ、えっと・・・ごめんなさい?』



「あっ、いや!別に謝ってほしかったわけじゃねぇって!」


そう必死に弁解する少年をなんだかかわいく思っていると体の大きな人がまた口を開いた



「っつーか、その霧が消えちまって元のとこに戻れんのか?」



『・・・あ。』



・・・・・・・



「いやいや、あ。じゃなくって!」



『えっと・・取り敢えずここってどこでしょうか?』



意外と近場ですぐ帰れたー、なんてことを願って聞いてみる



「あ?ここか?ここは京だぜ?」



ニカッと笑って大きな人が教えてくれた


『京?って京都?』



「お前、どっから来たんだ?見たことない着物来てるし、もしかして異人とか?」



少年に、見たことない着物、と言われて彼らを見ると・・・



き・も・の!!



信じたくない・・信じたくないけど・・・



『今って、何年ですか?』



「はぁ?文久3年だろ?」




ぁぁ。聞きたくなかった現実。



もしかしなくてもタイムスリップ?






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