薄桜鬼short
□暖かな光の中
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『ねぇ』
暖かな太陽の光が私たちを照す
戦争も、武士も、新撰組も、
全て終わった 今。
皮肉にも、医療は進み
私と総司さんを苦しめた呪縛からは解放された。
もう少し早くこの治療法があれば・・・
近藤さんを、土方さんを、新撰組を、
守れたかもしれないのに・・
その想いはきっと総司さんも同じだろう
だから、言わない。
言ってはいけない。
口に出したところで過去は変わらないから。
私たちの最近の日課は、庭の芝生でお昼寝をすること。
目を粒っている総司さんにそっと声をかける
「ん?」
薄目を開けて私の頭を撫でる総司さん
『ずっと、一緒にいましょうね』
そう言って総司さんにぎゅっ、と抱きつく
「当たり前でしょ。もしも君が僕から離れたいって言ったって、はなしてあげない」
『離さないでください。ずっと・・・・』
「君も、僕を離さないで。・・・おやすみ、凛」
『おやすみなさい。総司さん』
そう言って二人で手を繋いで眠りにつく
まだ暖かな昼下がり。
end