その他長編
□人魚姫
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むかしむかしある所に、それはそれは美しい人魚姫がおりました。
その人魚姫の名は#name#。今日は彼女の誕生日で、#name#は初めて地上に出ることとなりました。
姉たちに見送られ、上がった海の上にはそれはそれは綺麗な星空。そして、一隻の豪華な船が浮かんでいた。
#name#は目を輝かせ辺りを見渡すと、船の方へと泳いで行く。
「わぁ…星がすごく綺麗。あの船も、キラキラと光ってて素敵だわ。もう少し近づいてみよう」
船の側に来た#name#は、ふと、人の気配を感じ岩陰に隠れる。
すると、船の降板に出てきたのはそれはそれは可愛らしい男の子で
半分黒で半分金色の紙をなびかせ、そっと夜空を眺め始めた。
「わぁ…人の子はなんと綺麗なのでしょう。」
すっかり、見惚れた#name#はしばらく彼を眺めていると…
そこに
「おい、研磨。お前、来場者に挨拶まだ終わってないだろう?王子なんだからしっかりしろよ」
「だって…人ごみ嫌いだし。そう言うのは従者のクロがやってよ」
彼を王子と呼んでやってきた黒髪の背の高い男が、彼を中に連れて行ってしまう。
「あっ…行かないでッ!」
思わず声を挙げると、従者の黒髪の青年が振り返り、こちらを見た。
「あ?」
「ッ…!///」
一瞬、目が合ったかのようでドキッとした#name#。
けれど、見つかることはご法度、あわてて海の中に飛び込み隠れたけれど…胸の高鳴りは止まることはなく
「どうしたのクロ?」
「いや…なんでもねぇーよ。ほら、行くぞ」
その日#name#は、おとなしく海の中へ帰って行く事にした。
それから数日たっても、#name#の胸の高鳴りは収まることはなく…何だか上の空。
姉たちと話しても…食事をしても…魚たちと遊んでも…
そんなある日の事。酷い嵐に襲われた海はひどく荒れ、波が泳ぎを悪くさせる中。次々と魚たちが避難していく。
その様子をじっと見つめていた、#name#はどうしても彼の事が気になって地上へと向かう事にした。
#name#が水面に出ると、ちょうど王子と従者が降板に様子を伺いに現れたところで。風に飛ばされないよう被っていた雨具を手で押さえ海を見つめる。
「良かった。無事だった。」
けれど、そう思ったのもつかの間、二人は荒れ狂う波に揺れ動く船に投げ出され、海へと落ちてしまう――
慌てて助けようと#name#は彼らの元へ急いだ
「たっ!大変。助けないと。」
王子様を助けなきゃ
どちらも心配助けなきゃ…