その他長編
□赤ずきん
1ページ/3ページ
むかしむかしある所に、赤いずきんをいつもかぶっている可愛い女の子がいました。
その少女は赤ずきんちゃんと呼ばれ、町の皆に愛され、とてもかわいらしい女性になっていました。
その子の名前は#name#。花の15歳です。
ある日、のんびり読書をしていた#name#はふと母からお使いを頼まれた。
「ねぇ#name#?おばあちゃんの所までちょっと、このお見舞い持って行ってくれない?」
「お見舞い?おばあちゃん具合悪いの?」
「そうなの、ちょっと寝込んでるみたいで。お願いできるかしら?」
「うん。大丈夫よ」
頼まれたお見舞いの品をもって#name#は元気に家を飛び出す。すると、すぐに母の声がして、振り返る。
「あ、#name#。寄り道しないのよ?」
「はーい、もう、子供じゃないんだから…」
心配性の母に少し苦笑しながら手を振り、#name#は出かけて行った。
しばらく歩くと、森の入り口で綺麗な花畑を見つけた#name#は、ぼーっと見つめながら葛藤していた。
「お母さんに道草するなって言われたけど…おばあちゃんはお花好きだしなぁー」
一人、悩みながらつぶやいていると、どこからかやってきた耳を生やし、八重歯の光るオオカミが急に後ろから#name#に抱きつく。
「#name#ちゃん!何してんのー?」
「きゃっ!!!って……狼さん…ビックリさせないでください。」
「ひどーい。なんでいつもそんなにつれないの#name#ちゃんはー。」
一瞬焦ったものの、狼だとわかると、真顔に戻り身体から狼を引きはがす#name#。
「てか、狼なんてそんな獣くさい呼び方じゃなくて、徹って呼んでよ。」
「で?何の用ですか…‘狼’さんてか、今忙しいから、後にしてください。」
「えー、嘘だー。だって、花見てぼーっとしてたじゃん?」
「いつから見てたんですか?」
「え?ずっとだよ」
「……。」
笑顔で答える狼に少し寒気を感じながら、無視して先を急ごうとする#name#。けれどその腕をガシっと狼に捕まえられいやいや彼の方を向く。
「なんですか?」
「お花、積んできなよ。おばあさん喜ぶよ」
「…聞いてたんですね」
ため息をつきたくなる#name#だったが、狼とはかかわりたくないので、ある提案をすることにした。
「じゃぁ、狼さんがどこかへ行ってくれるならお花積んでから行きます。」
「えーっ。酷いなぁー…。でも、まぁ、いいや。その方が俺も都合いいし」
「え?都合?」
「いや、なんでもないよ。こっちの話。じゃぁ、また後でね」
そう言うと足早に去って行った狼を見送り、#name#は花を積み始めた。
そして、花を摘み終えると、またおばあさんの家に向けて足を進める。
しばらくして、おばあさんの家に到着した#name#は、合鍵で家の鍵を開け中に入る。
けれど、中は薄暗く、変に甘い匂いがして、#name#は一瞬ふらついてしまった。
「なっ。何この臭い…。おばあさん?いますかー?#name#です。お見舞いに来ました。」
そう言うと、奥のベッドから、かすかにおばあさんの声がした。
「こっちだよ。奥までおいで」
部屋の換気のために窓を開けてから、おばあさんの所に行く
匂いには気にせず、おばあさんの寝ているベッドに近づく