その他長編

□咲かない花
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『咲かない花』




仕事の疲れをひきづって、重くなった足で帰宅した一人暮らしのマンション。集合ポストを覗けば、大量のチラシと共に、『烏野高校』と懐かしい文字が書かれたハガキに目が留まった。




「ん?同窓会?わぁー懐かしいな、みんなどうしてっかな」



バレーボールに一身に打ち込んだ青春時代に思いをはせながら、目を閉じれば懐かしい景色と懐かしい顔が浮かんだ。



「大地には、この前会ったけど、旭とか、全然会ってなかったし…」



そう言って、思い浮かべた人の名前を呼んでみる




「清水も、元気かな?」



思い出すのはバレー部の仲間ばかりで…


マネージャーをしてくれていた二人の顔が思い浮かんだ俺は、清水ともう一人の姿を思い出す。




「#name#は…、もう、結婚してるだろうか…」





あの頃俺は、#name#の事が好きだった。けど、マネージャーと恋愛をして部の雰囲気を壊したくない俺は、気持ちを伝えることなくそのまま卒業してしまった。




「行ってみるか…同窓会」





気づけば俺は、すぐに、ペンで参加の所に#name#を描いていた。
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