High time
□GoGo's
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「…今何時だ」
あったかいベッドから極力体を出さないように、手のひらの感触だけで携帯を探す。
「これかぁ?」
ぱさぱさしている。これは隣で爆睡の静雄の頭だった。もうちょっと上を探ると固い感触。これだ。手にとってディスプレイを開く。
「あれ、まだ4時だ」
時刻は深夜と早朝の間。もぞもぞ体を動かして、布団を羽織るように上半身だけ起き上がる。隣の静雄にはもちろん布団はなくなって、裸の体が少し寒そう。でも布団は私のもの。
「起きないなぁ」
静かな寝息をたてていて、起きる気配がない。中々こんな機会はないからちょっと眺めることなした。
「寒くないのかな…。なんかこんな静雄もったいないやも…」
即座に携帯を開いてカメラ機能をオン。ぽんこつ携帯のピントを合わせること五秒。
「ぱしゃっとね!」
しばらくお待ちくださいの表示が出てから待ちに待った画像が出てくる。静雄ちょおかっこいいどうしようこれ待ち受けかな。でも下丸出しだしなあ。でもいっか!かっこいいなあ。こんな無防備で睨んでるとこなんて、ううん?睨んでる?画像の静雄の顔をよく見ると目が、
「……おい」
「は、はあい。あら、静雄さん起きてたんですか、あは、あははは」
ばっと羽織っていた布団を剥ぎ取られ、首根っこを掴まれる。そのままベランダをガラガラと開けて静雄は私を、ベランダの、外に。
「えええぇ!静雄何してんの私素っ裸だよぉえぇぇ」
寒い。恥ずかしい。寒い。何これどんな拷問これ。
「ごめんなさいぃ!あっ鍵閉めないで、ごめんなさい開けてください!あぁやめて連写しないでえぇ」
自分がされて嫌な事をします