High Time

□ありがち噺
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転んだ痕が痛くて涙が出そうになった。でもこの部屋からする臭いにまた涙が出そうになった。

「なんだ、その泣きそうな顔は」

「ごめんなさい」

「貴様は何に謝っているんだ。ほら、足を出せ」

スネイプ先生の地下室は暗いし、湿ってるし、先生が怖いし、もう嫌だ。

「もう、帰りたいです」

「聞こえん」

すごく気持ち悪い色をした薬品が私の足に塗りたくられる。塗られた場所がひりひりする。思わず傷口に手を伸ばしそうになったら、その手を先生に叩かれた。

「触るな」

「痛い」

今度は叩かれた手が痛い。じんじんする。足はひりひりする。本当にちょっぴり涙が出てしまった。眉間に皺を寄せながら先生はそれを拭ってくれた。ちょっとやさしい先生が私は好き。

「先生」

「何だ」

「キスして良いよ」

見た目どおりのねっとりした先生のキスが、私はもっと好き。



スウィート
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