High Time

□毎晩トんでる感情
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「知らない、知らない知らない。あなたなんか知らない」

「何言ってるんですか」

強く掴まれた手首を振り解いて私は気づいた。こんな人会ったこともないし喋った事もないのに。何一つだって知らないよ。血が頭に上っていく音が聞こえる。縁側の外は秋の風が吹き荒れている。至極寒い。

「寒い」

「は?」

「もう寝ます。帰ってください」

「待って」

彼の手は生ぬるい。この生ぬるさを私は知っている。

「一緒に帰りましょう」

知っている。いやだ知らない。

「ど、どこに」

「家に」

「―――うん」


しまった


「もう泣かないで」

「うん、おかえり」

「ただいま」

風が止んだ。



あなたなんて知らない




*わけわかんねえ


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