High Time

□斜め右から
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「トムさん、少し聞きたいことが」

「どした?」

一息吸って煙を吐くと公園のカラスが逃げていった。その光景を不思議に思いながら、隣で黙々とハンバーガーを食べ続けるトムさんに質問をなげかけた。

「ツツモタセってなんすか」

「何だよいきなり。誰の入れ知恵だあ?」

「いや、この間耳にして気になったんで」

「美人局ってのは、あれだよ、男が女使って金騙し取るんだよ」

「…どうやって?」

最後の一口をコーヒーで流し込んでから、話を続けた。

「例えばよ、どっかの冴えないサラリーをターゲットに女が捕まえて、色々しちゃった後に突然その女の男を名乗る奴が現れんだよ」

「はあ」

「それで、俺の女に手を出したってイチャモンつけて金ふんだくんだよ」

「…世の中分からないっす」

「で、何か静雄に関係あったりすんのか」

もう一度、煙を吸いこんで頭をかいた。関係はないのだが、気になることがあった。

「…知ってる奴が、それかもしんなくて」

「へえ。ま、美人局絡みの女はバックが厄介な奴ばかりだ。関わらないに越したことはないな」

「そっすか。すんません色々」

「それは別にいいけどよ、静雄。また、お前やってる」

「は?」

膝に二つ目の火傷に穴。






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