「おかえり」
「静雄君、帰り早くない?」
「社長がこの間の事があるからって言って帰してもらった。お前さ、いつもどこ行ってんだよ」
私は寝転がっている彼の上に跨って頬をつまんだ。人間なのに、かたい頬。
「まあまあ。めちゃくちゃ気持ちよかったでしょ?」
「…この間のはもう勘弁だ」
そう言った拍子に静雄君が起き上がってしまうものだから、私は背中から床にダイブ。するはずだったが、間一髪で彼に支えられて衝撃がくることはなかった。
「静雄君」
「なんだ」
「かっこいいね」
私は思ったことを言ったまでなのに支えられていた手は外され、衝撃はやってきてしまった。
「お前は」
「なに?」
「可愛くて仕方がねえよ」
くだけた笑い方で、当たり前のように呟いた彼の唇に柔く自分のものをあてて強く抱きついた。
「静雄君も可愛い」
「どっちだよ」
「かっこいい方がちょっと上」
口をへの字に曲げても、怒ってないことなんて分かってる。