High Time

□疼くかゆみ
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「静雄君、寝てるの?」

出かけ先から静雄君の家に帰ると、彼は窓際で沈んだように眠っていた。眠っているというより、倒れ込んでいるようなその格好に違和感を覚えていた。近づいてみると、どうやら眠ってはいないようで、眉間に深く皺を寄せている。

「大丈夫?」

「わかんねえ、けど」

「なに?」

「壁がくっ付いて離れねえ…壁になりそうなんだよ」

もしや静雄君、完璧にキメちゃってる?でもどこで?静雄君自らそんなものやるはずないし。こういう時の対処法を私は知らない。

「ほらちょっと横になろ」

「無理」

ぺちぺち頬を叩いてもあまり効果はないみたいで、とりあえずまだバーテン服のままだった彼を着替えさせることにした。もうすでに外れていたネクタイは放り投げて、シャツのボタンに手をかけた。すると、吐かれたため息が悩ましげなものだから、思わずキスしてしまった。

「おい」

「ん?」

「もっとしろ」

「でも、」

「いいからしろよ」

それからしばらく後、正常な意識を取り戻した静雄君に話を聞けば、取り立て先でたくさんの葉っぱが黒々と燃えていたらしい。当然、静雄君はそれが何だか分かっていなかった。

「バカだね」

「うっせ」



しゃんとして下さい






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