High Time

□引っかかる
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「マックって手広いね、今度はチキンだ」

がつがつ鶏肉を頬張る中、静雄君はシェイクを静かに飲み込んでいた。期間限定のヨーグルト味。私も少し飲みたくなって静雄君がストローから離れたところを狙って奪い取ってみると、中身はもう空だった。

「もうない」

「買ってこいよ」

「お金ない」

「奢ってやるよ、そんぐらい」

わざわざ買いに行くのは面倒臭かった。飲めない悔しさをストローにあてる。前歯でかじって噛み千切るのが私の癖だ。

「お前、人が口付けたもんをそんなに噛じるのやめろって」

「いらいらすんだもん」

「別にいいけどよ。それより早く食え。煙草吸いてえから」

最後の皮をほおりこんで、水で流して完食。ごちそうさまでした。

「行くぞ」

「どこに?」

「俺んち」

「ノミ野郎が現れない内に」と言って、私に向けられた手が大きくて胸がはねた。


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