こいのうた
□さそりざのきみへ。
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「色のないMerry Christmas」
白い雪や
十二色では収まらない
光り輝く色彩達に
浮かれはしゃぐ街の中で
貴方に似た人を見つけた。
きっと貴方でしょう?
昔のような笑顔で
左手には
見知らぬ子の手。
大切そうに。
包んでいた。
見間違いであれと。
そう望んだ。
けれども
きっと貴方でしょう?
一斉に押し寄せた
私の色彩の電球。
一気に接触不良で
闇に紛れる。
今でも思い出す。
その左手の中に
この手があった
その瞬間を。
見間違いであれと。
そう祈った。
けれども
きっと貴方でしょう?