こいのうた

□だれかのこい。
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「果樹園の乙女」

この目が
少し隠れる位に
長めに切り揃えた前髪を
花嫁のベールの様だと
こっそり笑いながら。

貴方に逢いに駆け出す。
秘密の果樹園。

きっと貴方は
一目見た瞬間
眉をひそめながら。
私の前髪を
説教の一つ二つ
垂れながら
色気もなく
輪ゴムか何かで
縛り上げるんだわ。
眼鏡の不便さを
実体験を交えながら。

わざとだとも知らずに。
秘密の駆引き。
貴方が好きなの。

さぁベールをあげて。
秘密の誘惑。
貴方が好きなの。

誓いのキスを貴方に。
秘密の楽園。
貴方が好きなの。

だからだから
青空に反発する様な
赤い赤い禁断の実に
秘密の限りを尽くして。

きっと神様も蛇さえも
咎めず見て見ぬ振り。

貴方とちぎる
禁断の果実。
貴方とちぎる
禁断の果樹園。

さぁ食べて。
貴方が好きなの。
禁断の果樹園。

貴方が好きなの。
秘密の果樹園。
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