めいん2
□泣いてみせようか?
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どうしてよ
どうして、カカシは
いつもそうなの
「アキノ、後ろ凄いヨ」
受付けでお気に入りのうみのくんとお話ししてたら、後ろから憎たらしい声。
振り向いて睨みつけると、親切に教えてやったのに何そのカオ、って顔したカカシが立ってた。
『なんなの』
「イヤ、だから、後ろ」
カカシは自分の項辺りの髪をツンツンと引っ張って見せる。うしろ?
「あ、寝癖」
うみのくんが、手を伸ばして私の後ろ頭らへんに触れた。
『え、寝癖!?うそ』
恥ずかしくて、ぱっと前を向きなおす。手を伸ばしたまんまの姿で、うみのくんが笑った。
うわ、笑われた、はっず。でもかわいい。
赤くした顔で、あははと誤魔化す。ついでに後ろへ器用に蹴りを入れた。
「いって、折角教えてあげたのに」
『余計なお世話!!』
出来るだけ小さな声でカカシに向かって悪態付くと、やれやれといったように溜め息をくらう。
「そんなんだから嫁の貰い手が・・・」
『うるさいから!!!!』
がっちり両手でカカシの口を塞いで、遥か遠くに猛烈ダッシュする。
後ろからうみのくんのなんだか愉快そうな挨拶が聞こえた。くう、私の一日の大切な癒しが・・・大切な時間がァー。
「チョットー、苦しいんだケド」
『自業自得!!ってあれ、』
受付け所からかなり離れた場所で手を離すとカカシがいなくなった。
「なに、オレに愛の告白でもすんの」
『するわけないから、てか後ろかよ!』
後ろから声が聞こえて手を伸ばす、パシ、といい音がしてでも手ごたえはない。
ちぇ、顔面狙ったのに。その手はカカシに掴まれてしまっていた。
「イヤ〜相変わらずお転婆ダネ」
余計なお世話!!と本日二回目の叫びをあげると、乾いた笑いで返される。
『あのね、受付けで人をからかうのは止めてくださいお願いします』
「なんで言葉と表情が合ってないの、こわいヨ」
思い切り歯を食い縛りながら、睨みつけて拳に力を入れまくる。んぎぎ、全然押せない。
「あんな年中受付けの虫みたいなの、どっこがいいの」
『アンタより一千億倍マシ、マシというか、比べるのもおこがましいわ』
はん、と笑って手を離す。手の平を空に向けて、あんだすたん?なポーズを取ると、力でオレに適うわけないでショ、とカカシが目だけで笑った。
聞いてないのかよ。
今日も嵐のように去っていったなあ
受付けでうみのイルカが爽やかに微笑んでいた。
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