めいん2

□ワスレナグサ(中編)
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あなたのことなぞ

知らなければ

こんな気持ちも

知り得なかった












「へぇ、そんな面白い事になってたの」

「・・・ちっとも面白い話じゃないんだケド?」


まるでからかうように、紅がくすりと隣で笑った。

甘味処、甘栗甘で珍しく暇してるいつものメンバーで集っていたら途中オレの話になった。

何故か一部の知り合いの中では、最近オレが同棲を始めたコトになってるらしい。その噂に一抹の疑問を感じて修正すると、彼らはそんなことだろうと思ったと失笑した。

3代目から、異人の話はお達しが出ている。ま、これも一部の者までしか知らないだろうケド。


「な?カカシが同棲なんてシャレたことする訳ないって言っただろ」


豪快に笑って煙を吹かしたアスマをじろりと睨みつける。そんなコト自分が一番よくわかってる。


「そうよね、カカシってば人間嫌いだものね」
「いや、嫌いってか人間不信?」


からかうようにそう言い放つ彼らを尻目に、顔は窓の方へと向ける。
部屋に一人残してきた、彼女のコトが気になるとは、コイツらには言えまい。




2、3日の間、暇が与えられたので(つーか、これも任務のうちか?)、異世界から来たというアキノとその間一緒に過ごした。

彼女は見知らぬ世界からここ、木の葉隠れの里へとやってきた異人だ。しかも普通の一般人っぽい。にも関わらず嘆いて泣き喚いたのはほんんの少しの間だけで、後はよく笑い、よく食べ、よくしゃべった。

特に行動には目を見張るものがある。なんだか、見ていて飽きないのだ。

そして何故か放っておけない。


昔から他人と触れ合うコトや理解し合うコトが苦手だったこんな自分と、一緒にいてよく笑う彼女の一挙一動が気になってしまう。

以前の自分なら突き放しただろう。
人と触れ合うコトが怖かったあの頃なら。

でも今は・・・


「でもカカシ、前より丸くなったよなぁ」

「ほんとね、誰のおかげかしら?」


絵的には正反対の見た目な二人は、いい兆候よねなんて気の合う台詞を投げ掛けながら、会話を楽しんでいる。お前らもう勝手に言ってろ。
これでも祝ってるんだけどなあと楽しそうにしている。別に祝わなくてイーヨ。


「俺のおかげだな!カカシ!」


振り向かずともハッキリとわかる、暑苦しい声が店内に響いた。


「あら、ガイまで待機?」

「珍しい事が続くもんだな。な、カカシ」

「あーもう・・・鬱陶しいのが増えた」


頭を抱えて窓から空を見上げると、雲ひとつない青空だった。








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