めいん2
□日時計の針は
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なんで、ナンデ、
笑ってくれないのカナ
いつまでも振り向いてくれない
大好きでツレナイキミを追いかける
オレはまるで
「アキノちゃん、一緒に帰ろ」
アカデミー勤務のアキノを門の前で待つ事1時間。夕方、陽も落ちてきた頃、一人で出てきた彼女に声を掛けた。
アキノちゃんの毎日の勤務時間はもうカンペキに頭に入ってる。
『・・・一人で帰れますから』
冷たい目線、つれない態度、そんなのはいつものコト。
オレは挫ける事なく、アキノの後ろを付いて歩く。
彼女の現れる場所ならどんな所だって赴く。スキだから、だいすきだから。
でもずっと片思いなんだヨネ、初めの頃よりは大分マシな態度になったケド。
出会った当初なんか、話しかけても目線も合わせてくれなかったし返事すらしてくれなかった。オレはヒトメボレしたからぐいぐい押して行ったんだけど。こんなに相手にされないのってはじめてで。
余計に彼女のコトが気になってしまった。
先週なんか、階級入り乱れた飲み会に参加した時(勿論アキノが参加すると聞いたからオレも参加)、アスマにあれでマシになったのか?と素で驚かれたっけ。
オレって相当嫌われてるみたいなんだヨ、なんでだと思う?
これでも少しは人気はある方なんだけどナー。
ヘンだなー、ま、いつかは振り向いてくれるよネ!
オレって結構一途なんだヨ。
「ネ、これからご飯食べに行かない?おいしい店見つけたんだー」
『今日は家で食べたい気分なんで』
うーん、今日もダメか。
スタスタと足早に歩くアキノの後ろ姿を見つめる。スタイルいいよネ〜、惚れ惚れしちゃう。でもアキノちゃんだったら、ぷにぷにしたお腹とかでも愛せちゃうケド。
ぷにぷに。
「じゃーアキノちゃんの家で一緒に食べるってのはドウ?」
オレも手伝うから!と地面をひと蹴り、横に並んで顔を覗きこむ。ジロリ、と睨まれて思わず身を引いた。手ごわいのである。
でーもここで諦めるオレではない。
『どこまで付いて来るんですか?』
彼女の家の前、玄関の扉の前で振り向かれた。
わ、やっと正面から目を合わせてくれた。今日もかわいいなー。たまには笑顔も向けてほしいケド。
『カカシさん、聞いてます?』
はぁ、と溜め息。溜め息も色っぽいよネ。
あれ、怒った?
「聞いてるヨ、だからご飯作るの手伝うって」
『結構です!!』
彼女は怒った様子で、ドアに向き直って鍵を開けた。ちぇ、もう少し話したかったのに。
今日はここでおしまい。
『お疲れ様でした!』
バタン、鼻の先で思い切りドアが閉まる。
そんなに力んだら、立て付け悪くなるヨ?
ドアに向かって声を掛けても勿論返事なんかナイ。今日もデートの約束取り付けなかった。
おうちデートでもいいんだケドな。
とぼとぼと歩く帰り道。
いつか彼女と一緒に、手を繋いで歩いてみたい。
淡い、夢だ。
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