短編
□続・強敵現る
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「どうぞ」
友近さんとゆえちゃんを居間へと案内すると、お膳にお茶とオレンジジュースを並べておいた。
友近さんはお構い無く、とニッコリ微笑んだ。
それにしても……。
お茶を出しながらも、私の視線はゆえちゃんに釘付けだった。
ううん、むしろゆえちゃんを膝の上に乗せて座る海都に。
(何あれ何あれ何あれ〜っ)
まるで珍獣でもいるかの様に気になるその光景に、あたしは内心でもんぞりうっていた。
だって、あの海都がよ? 海都が小さな女の子を膝に乗せて笑ってるって、ビックリドッキリにも程があるじゃない!!
てゆか気持ちわる……いやいや、信じられない!
驚きと困惑の表情で二人を見ていると、此方に気付いた海都が、何だよと声をかけてきた。
「えっ、ううん、別に……」
私は立ち上がると、咲お母さんと秋都さんの少し後ろに腰を下ろした。
「久し振りねぇ友ちゃん。ゆえちゃんも。お元気そうで何よりよ」
「姉さんも相変わらずお若い。まるで魔女の様ですね」
「あらぁ。友ちゃんも相変わらずの童顔ね」
アハハウフフと笑いをもらす咲お母さんと友近さんの背後には、何故かどす黒い影が煙の様に舞い上がっていた。
こ……怖い……。