列伝

□相棒
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 気が付いたら茉利は家にいたの。

 ママもいたわ。

 ママはママのママとパパに肩を抱かれてずっと泣いてた。

 茉利が「ママ」って呼んでも気付いてくれなくて……抱きつこうとしてもさわれなかった。

 その時、自分がもう死んだのだと悟った。


「茉利待ってたの……ママがこの家を出ていった時からずっと」


 一度にパパと茉利が死んじゃって、ママは一人が堪えられなかったんだと思う。

 おじいちゃんとおばあちゃんが迎えに来て、一緒に行っちゃった。

 けど茉利はこの家の中から外に出ることが出来なくて……だから……


「もしかしたら、海都おじいちゃんが茉利を迎えに来てくれるんじゃないかって、思ったの……。茉利は、海都おじいちゃんをずっと待ってた」


 でも、そんはずもなく……

 一年経っても、10年経ってもずっと一人だった――


「もう……もう一人は嫌だよぉっ……茉利、おばあちゃんのとこに行きたい! パパのとこに行きたいよぉ!」

 
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