列伝
□相棒
1ページ/7ページ
伯に出会ったのは、つい最近の事。
イギリスにある、茉利の家でだった。
「初めまして、茉利ちゃん」
まるで仮面を貼り付けた様なニッコリと笑った顔。
髪も服も真っ白という風貌。
変な人……。
それが第一印象だった―――。
「伯は何で茉利のお家に来たの?」
ただ純粋に、思った事を問いただしてみた。
すると彼は、少し困った様に微笑んだ。
「私は……茉利ちゃんの傍にいるために来ました」
そう言うと今度は、どこか物悲しげな表情を見せる。
(茉利の……傍にいるため?)
「別に、茉利は一人で平気だよ」
素っ気なくそう言葉を返すと、彼はそうですね、と笑みを溢した。