列伝
□邪魔者!(執筆中)
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最近なんやようわからんけど、姫さんの機嫌がすこぶる程悪い気がすんねん。
どこがって気かれたら困るんやけど……。
「で、何でそれを僕に言うんです?」
「何でって……いや、まぁ秋ちゃんならなんやええ手立て知ってはるかなぁなんて」
「帰ります」
「ああっ、待って待って!」
ガタリと席を立ち、店を出ていこうとする秋都をなんとか宥めすかしもう一度椅子へと座らせた。
「いきなり呼びつけられたと思えばくだらない事をぺらぺらと……暇人」
不機嫌オーラを露骨に表し毒づく秋ちゃんに、新しくいれなおした紅茶を差し出す。
白い湯気が立ち上り、アッサムのいい薫りが鼻孔をくすぐる。
「悪かったて。ほんまにスマン。けどこないな事、他ん奴には相談出来ひんし」
「崎原くんとか海都にでも聞いてもらえばいいでしょう? 何も僕じゃなくたって……」
秋ちゃんの言葉に、苦笑いをもらす。
確かに今俺達の関係からすれば、相談するのは間違っとるかも知れん。
秋ちゃんかて迷惑やわなぁ。
けどなぁ……。
拗ねた様にそっぽを向いた秋ちゃんの頭に、ぽんっと掌をおいた。
そして母親譲りであろう薄茶の髪を、優しく撫でた。
「まぁ相談っちゅーんは建前や。なんや理由つけな秋ちゃん、ずっと俺に会ってくれへんやろ?」
「そんなのっ……あたり、前じゃないか。だってあなたは……」
秋ちゃんは綺麗に整った顔をくしゃりと歪め、