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□うつろうもの、うつろわざるもの
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「王子、どうかなさったんですか?」
心配そうに僕の顔を覗き見た。
「体調には問題ないよ。あのさ…」
「どうしてもいいたい、聞いてほしいことがあるんだ。」
「なんですか??」
全身で僕の言葉を待つリオンの姿に僕は笑みをこぼした「決意表明ってやつ。」
茶化して、数拍おいて。自分のなかの準備完了の合図を待つ。
「この、父上と母上と・・戦争でいなくなってしまった人たちが守ったこの国を守っていこう。
何もかもが変わってしまったけど、この国を守っていこう。」
リオンの目がうれしそうに細まる。
「私も同じ気持ちです」
その言葉に、僕もうれしくなる。
「・・それじゃ行こうか、リムが待ってる」