けいおん!SS

□かみなりのうた
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これは、私たちがまだ小学生だったころのお話。



『かみなりのうた』



今日は家の中で何か小説を書いてみようと思っていたのに、その日も律は私を外へ連れ出した。
今思えば、じっと中で文章を書いているのは友達がいないからだと律は思ったのかもしれない。
……少し、失礼な話だ。


それは置いておいて。
だいたいのところ、連れ出された私は、最初は不服でも段々本気で遊んで、泥だらけになったものだった。
この日もまたそうで、むきになって追いかけっこをしていたら、ぽつり、ぽつりと空が泣き出した。

一緒に遊んでいた友達は1人、1人と帰っていき、律と私だけが公園に残った。


「おい、律ー。そろそろ帰ろうぜ」
「やだ」
「な」


頑なにその場を離れようせず、しゃがみこんだ律に普段と違う空気を感じ取って、私もまた、その隣にしゃがみこんだ。
ちょうど、滑り台の下だ、少しなら雨を防げる。


「どうしたんだよー」
「……笑わない?」
「笑わないよ」


笑って言うと「もう笑ってるじゃないかー」なんて少しむくれた後に小さな声で言うことには。


「今日、お父さんもお母さんも帰りが遅いんだ。
だから、一人で家にいたくないの」


小学生にもなって、そんなこと、そう言ってやろうかと思ったけど、あまりにも律の元気がないので、何も言わずに、ここで一緒にいてやることにした。



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