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□うつろうもの、うつろわざるもの
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新しい衣装に身を包む。
何もかもが変わってしまった宮殿の中で、
「あぁ、これで戻れないんだな」なんて変な気持ちになる。
だけど。迷わない。決めたんだ。



こんこん。彼女の部屋のドアをノックする。
「僕だけど・・リオン、準備できた?」

「王子!すいません、今開けます!」

ドアの向こうであわただしい気配がした後、彼女はドアを開け、僕を招きいれた。
「お待たせしました!・・わぁ、素敵です!お似合いですよ、王子!」
「リオンも似合ってるよ」
「ありがとうございます!」

服装は変わってしまい、髪形も見慣れないものになってしまったけど
変わらず、僕のことを「王子」と呼んでくれる君。


もう二度と笑えないかもしれない。そんな事を何回も戦争のときに思った。

でもリオンがいてくれたから。僕の傍に居てくれたから頑張れた。
…今更ながら君がいるこの瞬間に感謝した
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