Strike Witches SS

□Der Einsatz
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『Der Einsatz』


ガリア撤退戦のとき、ゲルトルートは必死だった。
ゲルトルートだけではない。
そこにいる全ての隊員が必死だった。
祖国を捨てて、ガリアまで捨てて去らなければならない、その悔しさと、
気持ちだけは負けてないつもりでも徐々に海岸線へと追いつめられる自分の無力さとで、
誰もが歯を食いしばりながら戦っていた。

それでも、カールスラント空軍第52戦闘航空団は次第に数を減らしていた。


「おい! 応答しろ!!」


第2飛行隊司令・ゲルトルートはインカムに向かって叫ぶが、その答えは返ってこない。
撃墜されたか、インカムが故障したか、気絶しているか。
最悪のパターンだけは避けてほしい、と願う間もなく、ネウロイのビームがゲルトルートの服の裾を焼く。

「くそ…!」

すぐにMG42を向けてネウロイを撃墜する。
今度は違うインカムへとつなぐ。

「エーリカ! おい、エーリカ! まさか落ちてないだろうな!」
「誰に言ってんのさ」

インカムを通してではなく、直に聞こえる声と、後ろに何者かが降りてきた気配にゲルトルートは振り向かずに答えた。

「……そうだな、愚問かもしれん」
「でしょ」

短く返すと、エーリカはすぐにMG42をネウロイへと向けた。

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