Strike Witches SS

□夢じゃない
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勢い込んで病室にはいった私は、ドアのあたりでつまづいた。

「ここは病室ですよ」

という看護師の言葉に一言詫びを入れると、
すぐに先日訪れたときに見たベッドの方に目をやろう、として俯いた。

―戦場では撃墜数250越えのこの私が、何たる様だ…―

足が震えて、一歩を踏み出すことが出来ない。


ひらひら、と後ろでハルトマンが私の目指す先に手を振っている気配がして、ゆるゆると目線をあげると、
そこには上半身を起こしてこちらを見てほほえむ姿があった。

「クリ……」

―今すぐ駆け寄って、抱きしめたい―

だけど、と思い直す。

私はおまえを守れなかった。
そんな私がおまえに触れる資格なんてあるんだろうか……。

考え込み、自然とうなだれた。


静寂が、病室を包む。


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