Strike Witches SS

□その細い肩を
2ページ/4ページ


「お前ら、何をしておったんだ!!」

どん、指揮官の拳が机を叩く。
私はただ、黙る。
傍らの新人たちが萎縮しているのを横目に見つつ、指揮官の次の言葉を待つ。

「だいたい、お前がついていながらなんという体たらくだ」
「……申し訳ありません」
ただ、それだけをひねり出す。


−新兵を練習もなしに送り出す上部が悪いんじゃないか−


それでも私が責を負えばこいつらに責が及ばないのなら安いものだと思っていた。
なのに。

「こんな新人を戦場に送り出す方が無謀だと思いまーす」
「「なっ…」」

私と指揮官の声がユニゾンする。
こいつ、エーリカの言葉に穏便に済まそうとした私の目論見は見事に砕かれた。

「貴様……自分の責任じゃないとでもいうのか!」
「そうじゃないよ。むしろ責任を感じているくらい。私がしっかりしていれば、
この子たちももっと訓練をした後に戦場に来れたんだろうし」

平然と言ってのけるエーリカに私も指揮官も唖然とする。


−確かに、戦況は厳しい。改善できなかった私たちにも責はある、しかし……−


「図に乗るなよ。誰もかれもがエースだ何だともてはやすわけじゃないぞ」

そう言われても引かないエーリカと、怒り心頭の指揮官の間に割って入る。

「申し訳ありません、閣下、私の監督不行届きです。よく言って聞かせますので、これで失礼させていただきます」

それだけ言い放つと、間髪入れずにエーリカを押し出しながら、指令室から出た。


_
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ