negima SS
□音なき世界、響く声
2ページ/5ページ
緊張感が高まる
台の上にのる
周りの音が遠のく―
パンっ!
8人が一斉に飛び込み、
水しぶきが上がる
それがレース開始の合図だった
『音なき世界、響く声』
水泳というのは孤独な戦いだ
水の中で頼れるのは自分のみ、
五感も制限され、すべての音は遮断される
アキラはその無音の世界が好きだった
しかし今は―
―気持ちだけは克服したつもりだった…
でも、
…水が重い
あんなに自由に水と一体化できていたはずなのに
―やっぱりまだ、だめだったかな…
苦しい
ただ前へ「もがいてる」自分に気づく