短編

□Pet
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一糸纏わぬ身体。首筋には赤い首輪、ご丁寧にリードまでついている。オレは出来るだけ自分の身体を隠すように縮こまってロッドを睨みつけた。首輪の鈴がチリンと…。

「あは、ずっと似合うと思ってたけどまさかここまでだとは思わなかったなあ。ほんとに可愛いよ、ボクのニールは」

全ての発端は昼間のトランプだった。勝った方の言うことを負けた方が何でも聞くなんてくだらない賭けを提案したのはロッド。馬鹿なことにそれに乗ったのはオレ。勝負はババ抜き、二人でなんてつまらないし余裕だとばかり思っていた。しかし自分の手元にたった1枚残ったジョーカーとロッドの笑顔が重なって見えたのは言うまでもない。

「っ…何で裸なんだよ…!」
「何でって…ペットは服なんて着ないんだよ?常識でしょ?」

勝者であるロッドがオレに要求してきたこと、それはオレが今夜一晩ロッドのペットであること。その為、オレは衣服を着ること所か一切の布を纏うことも許されずに首輪だけを着けられてベッドの隅に座り込んでいた。恥ずかしさからただロッドを睨みつけているだけだったが何の効果もないことがわかり、オレは自分の首輪に着いた鈴を指で弾く。チリンチリン。乾いた音が部屋に鳴り響くと共にぐいっと何かに力強く引かれてオレはシーツの上に倒れ込んだ。
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