Honey*Rabbit
□通じ合った心
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視点:入江一葉
大丈夫、大丈夫、と小走りしながら何度も繰り返し心の中で唱えて自分を落ち着かせる。
私も徳川さんが好きだと気付いたからこそ、返事を先延ばしにせずに今伝えたい。
……だけどやっぱり、
『緊張する、かも』
心臓がとてもバクバクしてます。
*****
そんな状態が続いていた時、コートの外にいる彼の姿がふと目についた。
休憩をとっているらしく、他の選手達も今は誰もコートの中で試合をしている様子はなかった。
自然とわたしは、彼のいる場所へゆっくりと歩み寄った。
そして、
『……徳川さん』
小さく、だけど彼にはハッキリと聞こえるような声で呼びかけた。