Honey*Rabbit
□一件のメール
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視点:入江一葉
pipipipipipi…
『……ん』
清楚なカーテンの隙間から朝日が差し込む部屋の中。
わたしは鳴り響く目覚ましを止めようと、柔らかな布団に包まれながら時計に手を伸ばして探った。
(あ……もっと布団でぬくぬくしていたい)
そんな気持ちを押し殺し、目覚ましを止めた。
ふと、隣に置いておいた携帯電話を見ると、新着メール1件の文字。
わたしは携帯電話を手に取り、開いて内容を確認した。
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05:27
FROM:入江奏多
SUB:おはよう
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家まで迎えに行くから
ちゃんと待っててね。
-END-
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『……迎え?』
何か兄さんと約束してたっけ?
わたしは不思議に思いながら携帯電話を閉じ、もとの場所に置いた。
洗顔や歯磨きを済まし、髪を櫛でさっと整え、秋物のワンピースに着替えると、私は朝食を摂りにリビングへ向かった。