不死鳥の騎士団

□4.グリモールド・プレイス
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ハリーを迎えに来た面々は、家の中にもう1人いることに気づいて驚いたようだった。

暗い階下から、ピリッとした緊張感が走る。



「ユイ、誰が来たの?」



ハリーの不安そうな声を聞いて、緊張感は一瞬にして消え去った。



「ハリー、一緒にいるのはユイなのか?」

「ル、ルーピン先生?」



懐かしい声を聞いて、ハリーの不安も吹き飛ぶ。

トンクスによってルーモスが唱えられ、辺りが明るくなったことをきっかけに、ハリーは階段を駆け下りた。

ハリーに続くユイに、注目が集まる。

リーマスが、何か周りの人に説明しているようだった。



「おまえさんを助けに来たぞ」

「ムーディ先生!」



ムーディの言葉で、視線はハリーに戻った。

ジェームズに生き写しだ、目はリリーの目だといつものやり取りが行われる中、ムーディだけは魔法の目をぐるぐると動かし、怪しむようにハリーとユイを見ていた。



「ルーピン、たしかにポッターとモチヅキだと思うか?」



ムーディは、本人しか知らないようなことを質問してみた方がいいと唸った。



「誰か“真実薬”を持っていれば別だが」

『私、持ってます』

「使う必要はないよ。その分だとユイに間違いなさそうだけど……2人とも、守護霊は?」

『ユニコーン』

「牡鹿」



リーマスの質問に、ユイは笑って、ハリーは緊張して答える。

ハリーに手を差し伸べて握手をしながら、リーマスはムーディに「大丈夫だ」と言った。



「マッド-アイ、間違いなくユイとハリーだ」

「ユイの方は聞いていた姿とだいぶ違うわね」

『今日はちょっとイメチェンで大人の姿になってます』

「へえ!まさかあなたも七変化できるの?」

『私の場合は薬漬けです』

「薬漬けって!ハハッ!あなた面白いわね!」



トンクスは軽快に笑って、自己紹介をした。

それから順番に、名前を名乗り始める。

ハリーは一人ひとりにぎこちなく頭を下げながらも、視線は常に知り合いのリーマスとムーディの方を向いていた。



「僕を助けに来たっておっしゃいましたよね?」

「ああ」

「どこへ行くんです?僕、ホグワーツを退学になるって……」

「ならんよ。まだな――キングズリー、前へ」



ムーディはハリーとユイを外に出しながら、キングズリー・シャックボルトに前へ出るよう告げた。

キングズリーは「了解」と返事をしながら、ハリーに心配するなと励ました。



「ダンブルドアの説得で、処分は懲戒尋問まで保留になった」

「尋問?」

「大丈夫、本部に着いたら説明してあげる」

「しっ、ここで言うなニンファドーラ」

「あのね、ニンファドーラって呼ばないで!」



赤い髪の色で怒りを表現したトンクスを無視して、ムーディがコツッコツッと地面を杖で2回叩く。

すると、どこからともなく各々の手に箒が飛んできた。
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