秘密の部屋

□15.決闘クラブ
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フレッド&ジョージ特製の煙玉の効果は1日。

突如としてホグワーツ内に現れたカラフルな集団が目を引かないはずもなく、魔法薬の授業での出来事は瞬く間に学校中に広まった。

授業を中断せざるを得ないような悪戯をスネイプの授業で行うという前代未聞の行為をしたユイは、またしても本人の望まないところで悪目立ちしてしまった。

本人のあずかり知れぬところで、フレッドとジョージを始めとするごく一部の生徒には神と崇められ、様付けされるという事実をピーブズに聞いたユイは頭を抱えた。


(やっとラプンツェルから開放されたのに!)


当然のことながらロックハートにも目をつけられた。

ユイはしばらくの間授業と食事以外では寮かスネイプの研究室で過ごさざるをえなくなった。



「自業自得でしょ。それに、その生活って今まで通りじゃない」

『あ……言われてみればそうかも』



パンジーに愚痴を言っていたユイは、指摘されて初めて気づいた。

図書館に行くのを控えたくらいで、元からユイの行動範囲はその2点にほぼ限られていた。



『私って、引きこもり症候群……?』

「は?こうして部屋の外に出てるんだから違うでしょ。ねえあの人だかりなにかしら。あ、ドラコがいるわ!」



玄関ホールにいるドラコに向かって早足で進むパンジーについていくと、人だかりの中心にある掲示板には、ユイの予想通り決闘クラブの開催を告知する羊皮紙が張られていた。

貼り出された羊皮紙の正面にはドラコが腕を組んで偉そうに立っている。



「ドラコ、どうかしたの?」

「ああ、見ろよ、決闘クラブだ」



人だかりを押しのけ、ドラコの横へ立ったパンジーにドラコが大きな声で答えた。



「やるからには本格的にやるんだろうな?学生のお遊び程度なら付き合ってられないな」

『本気すぎて怖いわよ……流血沙汰にならないといいけど……』



先日のスネイプのことを思うと、ユイはひと波乱ありそうで怖くて仕方がなかった。

なるべくスネイプの機嫌をとろうとこの1週間動いてみたものの、果たしてどこまで効果があったか疑問だ。



「ユイは誰が指導するのか知ってるのか?」

『ええ、まあ。でも開始までのお楽しみよ』

「ふうん、中途半端なやつじゃないことを祈るな。よく知りもしないやつがやったら怪我人が出るだけじゃ済まされないぞ」



さも自分は詳しく知っているとばかりにふんぞり返るドラコに、パンジーが「ドラコは強そうね。かっこいいわ」と熱い視線を送っていた。

どうやらロックハートへの熱は冷め気味らしい。

ドラコがロックハートのことを嫌っているからなのだろうが、理由はなんにせよ懸命な判断だ。
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